【7月2日 AFP】有人宇宙船「神舟9号(Shenzhou-9)」の宇宙ミッションを成功させた中国は今後、より大型の宇宙船を使った長期間のミッションを実施し、有人宇宙ステーションを建造する計画だ。将来的には月面への有人着陸をも視野に入れている。専門家らが分析した。

 中国の宇宙計画に詳しいオーストラリアの専門家、モリス・ジョーンズ(Morris Jones)氏によれば、2013年末に始まる中国の次期ミッション「神舟10号(Shenzhou-10)」は、同9号と同じく実験用モジュール「天宮1号(Tiangong-1)」とのドッキングを行う予定だ。

 だが、天宮1号とのドッキングはこれが最後になる。中国は数年後に天宮2号(Tiangong-2)の打ち上げを予定しており、フランス国立科学研究センター(National Centre for Scientific ResearchCNRS)のIsabelle Sourbes-Verger氏によると、この天宮2号打ち上げが成功すれば、中国の宇宙計画は飛躍的に発展することになるという。天宮1号の後継2機種は、モジュールが大型化されるため長期ミッションが可能となる。

■飛行士の月面着陸も視野に

 一方で中国は長征5号(Long March 5)ロケットの開発も進めており、米海軍大学(US Naval War College)のジョアン・ジョンソンフリーズ(Joan Johnson-Freese)教授は、より大型の宇宙ステーションを衛星軌道上に打ち上げるために必要な次世代ロケットだと説明する。

 同氏によると中国は2020年以降に月への有人宇宙船着陸を目指す可能性もあり、これを実現するためには月周回探査衛星「嫦娥(Chang'e)」ミッションをさらに推し進める必要があるという。「中国は、5~8年以内に有人月面着陸を実行するかどうかを判断することになるだろう」 (c)AFP/Boris Cambreleng