【6月28日 AFP】これまで遠く離れた位置に存在すると考えられてきた地球型の岩石惑星と、厚い大気に覆われた海王星のような惑星が「奇妙なペア」を組み、非常に近い距離で「ダンス」をしているのを発見したと、米研究チームが21日、米科学誌サイエンスの電子版「サイエンス・エクスプレス(Science Express)」に発表した。地球型の太陽系外惑星を探すため2009年に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡「ケプラー(Kepler)」で確認できたという。

 この「奇妙なペア」は、地球から約1200光年の距離にある恒星を公転している。論文によるとこの主星は太陽とよく似ているものの、太陽より数十億年は古く、2惑星の公転軌道も太陽系に比べてずっと主星に近いという。

 岩石惑星「ケプラー36b(Kepler-36b)」は地球の約1.5倍の大きさで、主星から平均距離1800万キロメートル未満の軌道を周回している。公転周期はおよそ2週間。

 もう一方の「ケプラー36c(Kepler-36c)」は地球の約4倍と大きい。水素とヘリウムの厚い大気に覆われ、中心部に岩石の核を持つと考えられることから「熱い海王星(hot Neptune)」の異名が付けられた。主星から平均距離およそ1900万キロの軌道を16日周期で公転している。

 2惑星の軌道平面はほぼ同じで、最接近時には間隔が190万キロメートルまで縮まるが、決して衝突することはないという。この間隔は地球と月の距離のおよそ5倍に当たる。ちなみに、地球と太陽の平均距離は1億5000万キロメートルだ。

 ケプラー36bの表面は熱く溶けており人が立つことはできないものの、仮にそこに立ったとすれば、上空に月の3倍にもなる巨大なケプラー36cが浮かんでいるのを眺めることができるだろうという。

 論文を共同執筆した米ワシントン大学(University of Washington)のエリック・アゴル(Eric Agol)准教授(天文学)は、「これまで発見された中で最も接近する2惑星」だと指摘した。また、米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)のジョシュ・カーター(Josh Carter)氏は、「2つの異なる世界が近接遭遇している」と表現している。(c)AFP