【6月1日 AFP】イスラエルで意識の変容を引き起こさない大麻(マリフアナ)が開発され、医療目的での大麻使用に役立つのではないかと期待されている。5月30日の現地紙マーリブ(Maariv)が報じた。

 同紙によれば、この大麻は外観、臭い、味は従来種と変わらないが、テトラヒドロカンナビノール(THC)という成分が誘発する感覚は一切感じられないという。

 開発した企業、ティックン・オラム(Tikkun Olam)の開発責任者ツァヒ・クライン(Tzahi Klein)氏は、「臭い、形、味ともに従来種と同じだ。ただ大麻使用者にはおなじみの、夢うつつのような感覚はない」と説明した。同氏によれば、新種の大麻を試した患者の多くは偽薬を渡されたと誤解したほどだったという。

 マーリブ紙によれば、同社はTHCの効果を無効化した一方、糖尿病や精神疾患に効果があるとされているカンナビジオール(CBD)という成分の効果を強めた。これにより意識の変容が引き起こされることがなくなり、大麻使用で感じることが多い空腹感も出なくなったという。

 イスラエルでは医療目的以外の大麻使用は違法であり、今回の開発を受けて法律が改正されることもないとみられている。

 同国のシバ医療センター(Sheba Medical Centre)とイスラエルがん学会(Israel Cancer Association)が今年発表した統計によると、これまでにイスラエルでさまざまな病気のために医療用大麻の使用が許可された例は6000件に上る。(c)AFP

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