【5月25日 AFP】燃料を一切使わずに太陽エネルギーのみで飛行するスイスのソーラー飛行機「ソーラー・インパルス(Solar Impulse)」が24日、同機初の大陸間飛行を目指しモロッコへ向けて出発した。

 アンドレ・ボルシュベルク(Andre Borschberg)氏が操縦する同機は同日午前8時半(日本時間同日午後3時半)ごろ、スイス西部パイエルヌ(Payerne)の飛行場を離陸した。スペインのマドリード(Madrid)を経由してモロッコのラバト(Rabat)に到着する予定だ。

 この約2500キロの飛行が成功すれば、前年行ったフランス・パリ(Paris)とベルギー・ブリュッセル(Brussels)間の飛行で記録した同機の長距離飛行記録を更新することとなる。

 ソーラー・インパルスは1万2000個の太陽電池と4つの電気モーターを搭載し、大型旅客機並みの翼長を持ちながら重量は特別客車の車両より軽い。

 主催者によれば、同機はマドリードのバラハス(Barajas)空港に25日午前1時(日本時間同日午前8時)ごろ到着し、3日間かけて機体整備を行う予定だという。点検作業の後、天候状況を見ながらパイロットをベルトラン・ピカール(Bertrand Piccard)氏に交代させて28日のマドリード出発を予定している。

 この大陸間飛行は、2014年に計画されている同機の世界一周飛行に向けた準備の一環として行われる。同機は2010年7月、有人ソーラー飛行機として世界で初めて24時間以上の連続飛行を行うという記録を打ち立てている。(c)AFP

【動画】
離陸の瞬間(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)

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