【5月1日 AFP】米宇宙開発ベンチャー、スペースX(SpaceX)は4月30日、米フロリダ(Florida)州のケープカナベラル空軍基地(Cape Canaveral Air Force Station)で、「ファルコン9(Falcon 9)」ロケットの打ち上げ試験に成功した。

 ファルコン9は、国際宇宙ステーション(International Space StationISS)に物資を運ぶ無人宇宙船「ドラゴン(Dragon)」を載せて5月7日に打ち上げられる予定になっている。

 9基のロケットエンジンを2秒間だけ噴射させる実験だったが、スペースXは実際の打ち上げと同じように全ての打ち上げ手順を確認できたと同社のウェブサイトで明らかにした。

 米航空宇宙局(NASA)によると、ドラゴンは約521キロの物資を積んで5月7日午前9時38分(日本時間同日午後10時38分) に打ち上げられ、ISSから約660キロの物資を積んで地球に戻る計画になっている。

 ドラゴンは人間も乗せられるよう設計されている。オンライン決済サービス「ペイパル(PayPal)」の共同創業者、イーロン・マスク(Elon Musk)氏がCEOを務める同社は、ISSへの物資輸送ミッションが成功すれば、近い将来の有人ミッションにもつながると期待している。

 米国のスペースシャトル計画が2011年に終了したため、現在ISSに宇宙船を送る能力があるのはロシア、日本、欧州に限られ、ISSに人員と物資の両方を運ぶことができるのはロシアのソユーズ(Soyuz)宇宙船だけだ。

 スペースXのほか、米航空宇宙大手ボーイング(Boeing)、シエラネバダ(Sierra Nevada)、ブルー・オリジン(Blue Origin)が宇宙飛行士や物資を運ぶことができる独自の宇宙船をISSに送る初の民間企業になろうとしのぎを削っている。(c)AFP