【4月19日 AFP】ロシア・チェチェン共和国(Chechnya)のチェチェン大学(Chechen State University)は17日、北カフカス(North Caucasus)地方の山間部で、前例がないほど巨大な恐竜の卵の化石群を発見したと発表した。

 同大は「驚くべき発見」として岩肌から隆起した卵型の突起の写真をウェブサイトに掲載し、「わが共和国にとって驚きであるばかりでなく、卵のサイズが驚異的だ。世界中でこんなに巨大な卵は確認されたことがない」と紹介した。長さ102センチのものもいくつかあったという。

 ロシア国営放送は、険しい山間地で見つかったこの岩石層からサンプルを取る科学者たちの姿を放送した。テレビ局NTVは「チェチェンに観光客を呼ぶ巨大な卵群」としてトップニュースで扱った。チェチェン共和国はスポーツや音楽関連の大規模イベントを誘致したり、巨大スキーリゾート計画を発表するなどして、紛争で荒廃した汚職のはびこる国というイメージを拭い去ろうとしている。

■本当に本物?

 しかし、モスクワ大学(Moscow State University)の考古学者、バレンティナ・ナザロワ(Valentina Nazarova)氏は発見の信ぴょう性に疑問を投げかけている。「恐竜の卵は小さかったし、山岳地帯である北カフカス地方に恐竜はいなかったと考えられている」と同氏。「恐竜はイワヤギのようにぴょんぴょん跳ね回りながら卵を産んでなどいなかった」

 ナザロワ氏はさらに、「観光客目当ての言い伝えを作りたいのならば、ロック鳥(『アラビアン・ナイト(Arabian Nights)』に登場する伝説の巨鳥)の卵とでも言ったほうがよかった。彼らには非常に申し訳ないが、私は非科学的なことは言いたくない」と述べた。(c)AFP