【4月7日 AFP】オーストリアと日本の研究者らは4日、クモの糸よりも薄く、髪の毛にも巻き付けることができるほど伸縮性の高い太陽電池を開発したと、英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(Nature Communications)で発表した。

 フィルム上に有機半導体の薄膜が形成されたこの太陽電池の厚さは約1.9マイクロメートルで、研究者らによると、これは現在最も薄いとされる太陽電池の約10分の1の厚さだという。1マイクロメートルは1メートルの100万分の1。

 この新しい太陽電池について、研究チームに参加する東京大学の関谷毅(Tsuyoshi Sekitani)准教授は、極薄で重さも感じず、伸縮性にも富んでいると説明している。また、衣服にバッジのように装着して太陽光を電気に変換することが可能で、例えば健康モニターを身に着けて歩きたい高齢者がバッテリーを携帯する必要も無くなると述べた。

 太陽電池の変換効率はそのサイズに比例して上がる。今回開発された太陽電池は伸縮性に富んでいるため、サイズを拡大しても折れ曲がって破損する危険性が少なく、バッテリーのサイズを大きくすることも可能だと関谷氏は述べている。と関谷氏は述べている。

 今回の研究はヨハネスケプラー(Johannes Kepler)大学リンツ校のマーティン・カルテンブルンナー(Martin Kaltenbrunner)博士、ジークフリート・バウアー(Siegfried Bauer)教授および東京大学の関谷氏をはじめとする研究者らが共同で行った。

 研究チームは、太陽光を電気に変換する効率を上げ、5年後の実用化を目指しているという。(c)AFP