【3月13日 AFP】 女性にヘビを見つけさせる実験を通じて、女性の恐怖に対する反応は排卵後の黄体期に最も高まることが8日、英オンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載された京大の研究チームによる論文で明らかにされた。
 
 この研究は、生存本能として備わった反射神経を解明するユニークな試みの一環で、京都大学(Kyoto University)霊長類研究所の正高信男(Nobuo Masataka)教授率いる研究チームが、妊娠が可能な年齢の女性60人を対象に、月経の3周期について調査した。
 
 研究チームは、被験女性らに花の写真8枚とヘビの写真1枚の計9枚を同時に見せて、ヘビの写真を発見する早さを調べた。その結果、最も早くヘビを見つけられたのは排卵後の黄体期にある女性たちだった。これは、妊娠が可能な黄体期のホルモンの影響で、妊娠初期に胎児を守れるよう反射神経が敏感になるためだと考えられる。

 正高教授によると、実験結果は、毒ヘビなど生存を脅かす可能性のある警告への反射神経である「恐怖本能」が、人間にも備わっているとの説を裏付けるものだという。

 先行研究では、8か月の乳児や霊長類の動物でも、こうした反射神経が認められていた。(c)AFP

【参考】「Scientific Reports」の該当論文(英語)

【参考】京大霊長類研究所の発表