最古の超新星残骸「RCW 86」、新たな画像を公開 NASA
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【2月20日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は15日、チャンドラX線観測衛星(Chandra X-ray Observatory)など4台の宇宙望遠鏡が撮影した、記録上最古の超新星残骸「RCW 86」の多波長合成画像を公開した。
RCW 86は地球から約8000光年の距離にあり、直径は85光年。南天のコンパス座(Circinus)一帯の満月よりもやや大きい空間を占めている。西暦185年に中国の天文学者が、謎の「客星」が8か月にわたって夜空に留まっていたとの記録を残しており、これが人類史上初めて記録に残されたRCW 86の超新星爆発だとされる。
チャンドラX線観測衛星と欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)のX線観測衛星XMMニュートン(XMM-Newton)が撮影した画像は、青色と緑色で表されている。X線画像は、超新星が放出する衝撃波によって数百万度もの超高温に達した星間ガスをとらえている。
また、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)と広域赤外線探査衛星「WISE(Wide-field Infrared Survey Explorer)」からの赤外線データは、黄色と赤色で表されている。これは氷点下数百度で放射されるちりをとらえているが、天の川銀河(Milky Way)のちりなどと比較して温度が高いことが分かる。
爆発前の白色矮星周囲でこのような空間がとらえられたのは初めてで、天文学者らは白色矮星の連星系と「Ia型」超新星に関する理論上、重大な意味を持つのではないかと期待を示している。(c)AFP