【2月3日 AFP】国際天文学者チームは2日、地球から約22光年の位置に、生命が存在できる可能性のある岩石質の太陽系外惑星を新たに発見し、「GJ 667Cc」と命名したと、英学術誌「Astrophysical Journal Letters」に発表した。

 岩石質でハビタブル・ゾーン(生命生存可能領域)にあることが確認された惑星は、地球から約20光年離れた「グリーゼ581d(Gliese 581d)」、約36光年離れた「HD 85512 b」、約600光年離れた「ケプラー22b(Kepler-22b)」に次いで4個目。

 チームは、M型わい星で熱量が太陽よりはるかに少ない恒星「GJ 667C」について、欧州南天天文台(European Southern ObservatoryESO)で収集したデータを分析した。

 すると、この星の近くを公転している惑星は少なくとも3個あり、うち1個は距離的に、主星が発する光とエネルギーの吸収量および表面温度が地球と同程度で、水も保持されている可能性があることが明らかになった。公転周期は28.15日。質量は地球の少なくとも4.5倍だという。

■定説を覆す発見

 一部の専門家は、M型わい星は生命維持が可能な惑星を持つことができないと考えてきた。M型わい星はとても暗く、活発な太陽フレア活動が、付近の惑星にとっては致命的な太陽放射となりかねないためだ。

 GJ 667Cはさらに、地球型惑星の構成要素である鉄、炭素、ケイ素など、ヘリウムより重い元素が太陽よりもはるかに少ない。

 以上にもかかわらず、生命が存在できるかもしれない惑星が見つかったことは、天文学者らを興奮させている。

 論文の共同執筆者、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校(University of California at Santa Cruz)のスティーブン・ボーグト(Steven Vogt)教授(天文学・天文物理学)は次のように述べた。「M型わい星は惑星を持つこと自体、ほとんどありえないと考えられてきた。だが、われわれの銀河系では最もありふれている金属が少ないタイプの恒星のすぐ近くに、惑星はいくつも存在していた。GJ 667Ccの発見は、われわれの銀河には生命が存在できる岩石質の惑星が数十億個ほどひしめき合っている可能性を示している」(c)AFP