【1月19日 AFP】今月、月周回軌道に投入された米航空宇宙局(NASA)の双子の月探査機「グレイル(Gravity Recovery and Interior LaboratoryGRAIL)」が17日、「エブ(Ebb)」「フロー(Flow)」と改名された。名付け親は、米モンタナ(Montana)州の小学4年生たちだ。

 月の内核図を作るため2011年9月10日に打ち上げられた「グレイル」の探査機2機は、それぞれグレイルA(GRAIL-A)、グレイルB(GRAIL-B)と呼ばれていた。だが、この呼称についてGRAIL主任研究者でマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)のマリア・ズーバー(Maria Zuber)氏は、「とてもつまらない」と思っていたことを告白した。

「われわれは(探査機の)設計と予定通りに打ちあげることだけで頭がいっぱいだったので、2機を『A』『B』と呼ぶことにしました。でも、あまりにも創造性に欠けていたため、国内の若者にヘルプを頼んだのです」(ズーバー氏)

 洗濯機ほどの大きさの探査機の名称募集には、小中学生など1万1000人以上の学生たちが応募。その中から、モンタナ州ボーズマン(Bozeman)にあるエミリー・ディッキンソン(Emily Dickinson)小学校の4年生のあるクラスが提案した名前が選ばれた。

「同小の子ども達は、グレイルが月の重力場を観測していることと、月の重力が地球上に及ぼす影響が毎日の潮の満ち干に見て取れることを指摘していました。エブ(引き潮)とフロー(満ち潮)という名前は、とてもシンプルですが、洗練されています」と、ズーバー氏は選定理由を説明している。(c)AFP

【図解】NASAの月探査機「グレイル」
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