【12月30日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は今週末、月の内部構造を調査するため、月探査機グレイル(Gravity Recovery and Interior LaboratoryGRAIL)の2機を月周回軌道に投入する。
 
 NASAの発表によると、グレイルA(GRAIL-A)は日本時間1月1日午前6時21分に、グレイルB(GRAIL-B)は同1月2日午前7時5分ごろ、それぞれ月周回軌道に入るという。

 マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)のGRAIL主任研究者マリア・ズーバー(Maria Zuber)氏は「今回の探査は月の進化についての教科書を書き換えるだろう」と語る。同氏によると、探査機はこれまでのところ順調に動いているという。

 2012年3月からは、2機の探査機が発する無線信号により、地球上にいる科学者が月の詳細な重力場地図を作成できるようになる。これは、月の地下構造や太陽系の他の惑星の起源をより良く理解するのに役立つ。

 今回の探査は、月の裏側に光をあてるとともに、かつてもう一つの月が存在し、現在の月と融合したという仮説を検証することになるだろう。

 それぞれ洗濯機とほぼ同じ大きさの2機は、初めて月の内核図を作るため、9月10日に打ち上げられた。費用は総額で約5億ドル(約388億円)。アポロ(Apollo)計画の宇宙船が3日で月に着いたのに対し、グレイルの2機は3か月かけて月に向かった。この間に科学者たちはより詳しく探査機を検証することができた。(c)AFP