【12月15日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は今週、探査機が着陸できない彗星(すいせい)に銛(もり)を打ち込んでサンプルを採取する技術を開発中だと発表した。成功すれば、地球誕生の謎を解くカギが得られるかもしれない。

 NASAの説明によるとこの新技術は、宇宙船が彗星とランデブーしつつ、極めて高い精度で銛を打ち込み、瞬時に彗星表面のサンプルを採取するというもの。岩がちで探査船の着陸が困難だったり危険を伴うような地表でのサンプル採取にも応用できるという。

 通常、彗星は直径わずか数キロで重力もほとんどないことから、宇宙船の着陸は不可能だ。このためNASAでは、着陸せずに彗星のサンプルを採取できる手段を研究してきた。1999年に打ち上げられた彗星探査機スターダスト(Stardust)のときは、彗星にフライバイ(接近通過)をしながらサンプルを採取する手法を取った。

 NASAでは2016年に、小惑星表面サンプルの採取を目的とした小惑星探査機「OSIRIS-REx」の打ち上げを計画している。(c)AFP