【12月7日 AFP】幼児は大人に一度だまされると、その相手を覚えていて二度とだまされないことを示す研究結果をカナダのチームが発表した。

 幼児の発達に関する専門誌「Infant Behavior and Development」に掲載されたカナダ・コンコーディア大学(Concordia University)の研究によると、幼児は通常、自分が観察した周りの大人の発声や表情、行動をまねるが、大人が幼児をだますと二度とその人物のまねをしなくなるという。

 これまでの研究でも、幼児は信用できる人物とできない人物を見分けられるという証拠が見つかっていたが、それを強化する研究結果だ。

 同大心理学部のディアーヌ・プーラン・デュボワ(Diane Poulin-Dubois)教授は「もっと年上の子どもと同様に幼児も、ある人物が正しかったか、正しくなかったかを記憶していて、その情報を後の学習の指針にする。特に幼児は、信頼できないと自分がみなした人物からは学ばないようにする」と説明する。

 例えばある実験では、空箱またはおもちゃの入った箱を用意し、生後13~16か月の幼児の前で、中に何か楽しいものが入っているようなそぶりでのぞいてみせた後、幼児に箱の中を見せた。

 続いて、実験者が電気を手ではなく、額でつけてみせた。おもちゃの箱をのぞいていた「信頼できる」実験者のときには、61%の幼児がまねをして額で電気をつけたが、空箱をのぞいていた「信頼できない」実験者のまねをした幼児は34%しかいなかった。(c)AFP