【12月6日 AFP】養殖カキが自分の育つ環境についてどのように考えているのか、カキに直接聞いてみようという研究が日本で始まっている。

 香川大学瀬戸内圏研究センターでは、通称「貝リンガル」と呼ばれるセンサーと磁石を使った装置を使い、海水の変化に反応するカキの開閉運動を監視している。

 これによって、カキの大量死にもつながる赤潮の到来など、カキがなんらかの警告を発するときの運動を解読しようという取り組みだ。同センターの本城凡夫(Tsuneo Honjo)センター長は「貝リンガルを使えば『酸素が少なくて苦しいよ!』といった貝の『悲鳴』を聞くことができる」と語る。

 この技術は養殖カキに使用するのは初めてだが、真珠養殖場で使用実績がある。チームは長年の研究で、真珠養殖に使われるアコヤガイの「言葉」を理解できるようになった。そこで、カキ養殖場にもアコヤガイを入れ、アコヤガイを「通訳」として活用しているという。

 調査は10月に始まり、3月の水揚げ時期まで続けられる。これまでのところ、カキたちは健康的に会話しているという。(c)AFP