【12月2日 AFP】2010年12月25日に米航空宇宙局(NASA)の観測衛星スウィフト(Swift)により発見された通称「クリスマスガンマ線バースト」の発生原因について、異なる見解を示した2本の論文が、30日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 ガンマ線バースト(GRB)は高エネルギーの放射現象で、超新星と関連しているという説が有力視されている。通常は数秒~数分間しか持続しないが、「クリスマスガンマ線バースト」は30分以上続き、一方でX線の残光は通常よりもはるかに速く消失した。

 この異常なガンマ線バーストについて、イタリアのブレラ天文台(Brera Astronomical Observatory)のセルジオ・カンパーナ(Sergio Campana)氏率いるチームは、彗星(すいせい)や隕石などの小さな天体が中性子星に近づきすぎて重力に引き裂かれたことが原因だとする説を唱えた。小天体の破片のそれぞれが小規模のガンマ線バーストを起こしたため、長く持続したというのだ。

 これに対し、スペインのアンダルシア宇宙物理学研究所(Astrophysical Institute of Andalucia)のクリスティーナ・テーネ(Christina Thoene)氏率いるチームは、ヘリウム星と中性子星が合体して超新星が生まれたことによって起きたものだとの説を発表した。(c)AFP