【11月21日 AFP】米国防総省は17日、超音速で飛行し、地球上のどこでも1時間以内に攻撃することができる飛行爆弾「AHWAdvanced Hypersonic Weapon、先進型極超音速兵器)」の試験に成功したと発表した。

 国防総省の声明によると、米ハワイ(Hawaii)州から発射されたAHWは「極超音速で」太平洋上の上層大気を滑空し、南西に約4000キロ離れたマーシャル諸島(Marshall Islands)のクェゼリン環礁(Kwajalein Atoll)の標的に命中した。最高速度は公表されなかったが、極超音速はマッハ5(音速の5倍)以上を指し、つまり時速6000キロ以上ということになる。

 国防総省報道官のメリンダ・モーガン(Melinda Morgan)中佐は、試験の目的について「空気力学、ナビゲーション、誘導、制御、耐熱技術」のデータ収集だと説明した。

 米陸軍のAHW計画は、地球のあらゆる場所を1時間以内に通常兵器で攻撃可能にする「即応型地球規模攻撃(Prompt Global Strike)プログラム」の一環として進められている。国防総省は8月11日にも、時速2万7000キロで飛行できる極超音速グライダー「HTV-2」の試験飛行を行ったが、失敗に終わっていた。

 米議会調査局(Congressional Research Service)の報告書によると、AHWの射程はHTV-2よりも短い。また、国防総省は今年に入って「地球規模攻撃プログラム」に2億3990万ドル(約180億円)を投じており、このうちAHW予算は6900万ドル(約53億円)に上るという。(c)AFP

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