【10月31日 AFP】第2次世界大戦(World War II)の伝説的な戦艦「大和(Yamato)」の探照灯用に製造された反射板が、「太陽炉」の光を集める鏡として再利用された。時事通信(Jiji Press)英語版が30日、伝えた。

 円形の反射板は直径1.5メートル。宮崎県日向市にある東北大学施設に設置された。反射板の推定価値は1億円以上。産業技術総合研究所(AIST)により、愛知県名古屋市にある施設に保管されていた。研究グループの小浜泰昭(Yasuaki Kohama)東北大教授は「戦後約70年を経て活用できるのは感慨深い」と時事通信に語った。

■太陽炉は日本海軍発祥の地に

 太陽炉は、日本海軍発祥の地とされる日向市美々津に設置されている。伝説によれば、日本初代天皇の神武天皇(Emperor Jinmu)が紀元前7世紀、東征のため美々津から海軍を出兵したとされている。英語版の時事サイトによると、小浜教授はなんらかのつながりを感じると述べ、兵器をエネルギーの平和的利用に転換できることに深く感動していると語ったという。

 研究者らは、マグネシウムの化学反応を利用した新燃料電池を開発中で、太陽炉の1200度以上の高温を使い酸化マグネシウムをマグネシウムに還元して、電池に再利用する計画だ。研究チームは、将来的には、大型の太陽炉をオーストラリア北西部に建設することを目指している。(c)AFP