「ジェットパックが一番!」宇宙飛行士チーム、海底で小惑星探査の訓練
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【10月26日 AFP】海底を散策するのに一番楽しいのは電動ジェットパックだ――将来の小惑星探査に向け、海底で実習を行う宇宙飛行士たちは24日、こう語った。
米フロリダ(Florida)州沿岸の海底で、ほぼ無重力の小惑星における移動の訓練をしている宇宙飛行士の国際チームは、13日間の滞在日程をほぼ半分まで終えたところだ。
「一番の楽しみ?ジェットパックだ。絶対ジェットパックだ」。米コーネル大(Cornell University)の惑星探査専門家、スティーブ・スクワイヤーズ(Steve Squuyres)氏は、にやにやした笑顔を浮かべて、こう語った。
スクワイヤーズ氏は、米航空宇宙局(NASA)の極限環境ミッション運用(NEEMO)訓練に参加する一人。同ミッションには他にも日本やカナダ、米国から宇宙飛行士が参加し、世界で唯一の海底研究室「アクエリアス(Aquarius Underwater Laboratory)」で訓練が行われている。
アクエリアスは、フロリダ州キー・ラーゴ(Key Largo)沖4.5キロ、水深19メートルの海底で、1993年以来、科学者たちに海底での宿泊・生命維持システムを提供している。NASAは2001年から、アクエリアスで宇宙飛行士向けの数週間の訓練ミッションを行ってきた。
だが今回はバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が2025年までの実現可能性を語った小惑星の有人探査に向け、新たな取り組みが行われている。
■ほぼ無重力の小惑星のシミュレーション
カナダ宇宙庁(Canadian Space Agency)のデイビッド・サンジャック(David Saint-Jacques)宇宙飛行士は、海底を小惑星の地表に見立てた毎日の実習について、非常に厳密なものだと話す。AFPの取材に、「かなり良いシミュレーションだね。無重力状態にとても近い」と語った。
「小惑星訪問の課題は、おそらくほぼ重力が存在しないこと。私たちは地表を歩くことも着陸することもできないだろう。浮遊してまわったり、地表に何かで固定したりすることになるだろう。一番難しいのは、宇宙浮遊を模した状態で、作業を行うのに十分な程度、自分を安定させることだね」
チームは、ブームと呼ばれる伸縮ポールを使って訓練を行っている。ブームの両側には磁石が装着されており、その磁石を海底のあるポイントから別のポイントへゆっくり動かすという訓練だ。
■ジェットパックが大人気
高速移動のためのスリル満点の代替手段となったのが、ジェットパックだった。唯一の欠点は、止まるのが困難な点だ。
スクワイヤーズ氏は、NASAのブログにこう書いた。「告白しなければならない。期待通りの楽しさだったよ。速いし、簡単だし、かっこいい。問題は、目的地に着いてもそこに留まることがかなり難しかったことだ」
NASAの宇宙飛行士として国際宇宙ステーション(International Space Station)に6か月間滞在した経験を持つコマンダーのシャノン・ウォーカー(Shannon Walker)氏も、「楽しいのはジェットパック」と同意する。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉(Takuya Onishi)宇宙飛行士は、最大の挑戦は、宇宙歩行訓練と、クルーたちと英語で会話をすることだと語る。地球の重力加速度である1Gの環境に慣れているため、ほぼ無重力状態に慣れるのは大変なのだという。(c)AFP/Kerry Sheridan
米フロリダ(Florida)州沿岸の海底で、ほぼ無重力の小惑星における移動の訓練をしている宇宙飛行士の国際チームは、13日間の滞在日程をほぼ半分まで終えたところだ。
「一番の楽しみ?ジェットパックだ。絶対ジェットパックだ」。米コーネル大(Cornell University)の惑星探査専門家、スティーブ・スクワイヤーズ(Steve Squuyres)氏は、にやにやした笑顔を浮かべて、こう語った。
スクワイヤーズ氏は、米航空宇宙局(NASA)の極限環境ミッション運用(NEEMO)訓練に参加する一人。同ミッションには他にも日本やカナダ、米国から宇宙飛行士が参加し、世界で唯一の海底研究室「アクエリアス(Aquarius Underwater Laboratory)」で訓練が行われている。
アクエリアスは、フロリダ州キー・ラーゴ(Key Largo)沖4.5キロ、水深19メートルの海底で、1993年以来、科学者たちに海底での宿泊・生命維持システムを提供している。NASAは2001年から、アクエリアスで宇宙飛行士向けの数週間の訓練ミッションを行ってきた。
だが今回はバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が2025年までの実現可能性を語った小惑星の有人探査に向け、新たな取り組みが行われている。
■ほぼ無重力の小惑星のシミュレーション
カナダ宇宙庁(Canadian Space Agency)のデイビッド・サンジャック(David Saint-Jacques)宇宙飛行士は、海底を小惑星の地表に見立てた毎日の実習について、非常に厳密なものだと話す。AFPの取材に、「かなり良いシミュレーションだね。無重力状態にとても近い」と語った。
「小惑星訪問の課題は、おそらくほぼ重力が存在しないこと。私たちは地表を歩くことも着陸することもできないだろう。浮遊してまわったり、地表に何かで固定したりすることになるだろう。一番難しいのは、宇宙浮遊を模した状態で、作業を行うのに十分な程度、自分を安定させることだね」
チームは、ブームと呼ばれる伸縮ポールを使って訓練を行っている。ブームの両側には磁石が装着されており、その磁石を海底のあるポイントから別のポイントへゆっくり動かすという訓練だ。
■ジェットパックが大人気
高速移動のためのスリル満点の代替手段となったのが、ジェットパックだった。唯一の欠点は、止まるのが困難な点だ。
スクワイヤーズ氏は、NASAのブログにこう書いた。「告白しなければならない。期待通りの楽しさだったよ。速いし、簡単だし、かっこいい。問題は、目的地に着いてもそこに留まることがかなり難しかったことだ」
NASAの宇宙飛行士として国際宇宙ステーション(International Space Station)に6か月間滞在した経験を持つコマンダーのシャノン・ウォーカー(Shannon Walker)氏も、「楽しいのはジェットパック」と同意する。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉(Takuya Onishi)宇宙飛行士は、最大の挑戦は、宇宙歩行訓練と、クルーたちと英語で会話をすることだと語る。地球の重力加速度である1Gの環境に慣れているため、ほぼ無重力状態に慣れるのは大変なのだという。(c)AFP/Kerry Sheridan