【10月1日 AFP】打ち上げの瞬間は、中国人にとって愛国心に満ちた瞬間であるはずだった。しかし、宇宙ステーション建設に向けた実験用モジュール「天宮1号(Tiangong-1)」の打ち上げを説明する動画に使われたBGMは、同国最大のライバルを賛美する音楽だった。

 国営テレビが作成した、天宮1号の打ち上げのアニメーションに使われた音楽はなんと「アメリカ・ザ・ビューティフル(America the Beautiful、美しきアメリカ)」。米国の愛国歌だ。

 中国は宇宙開発で国威発揚を狙っているが、同国の誇り高き瞬間に流れるこの曲に気付いたインターネットユーザーらは驚きを隠せなかったようだ。

 中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」には、「アメリカの企業から来た外国人たちと、中国人のクライアントと共にホテルで食事をしながら生放送を見ていた。そこにいた中国人全員が、穴があったら入りたいと思っていたよ」というコメントも投稿された。

 AFPは国営中国中央テレビ(China Central TelevisionCCTV)に電話をかけて取材を試みたが、電話は部署から部署へ回され続け、コメントを得られることはなかった。(c)AFP

【参考】CCTVの動画
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