【9月16日 AFP】国際宇宙ステーション(International Space StationISS)の長期滞在クルー3人を乗せた有人宇宙船ソユーズ(Soyuz)TMA-21はグリニッジ標準時(GMT)16日午前4時(日本時間同日午後1時)、カザフスタンのジェズカズガン(Dzhezkazgan)付近に着陸し、ロシア人2人、米国人1人の宇宙飛行士3人は無事、地上への帰還を果たした。

 カザフスタンの救助隊員らは、帰還カプセルからまずロシアのアレクサンダー・サマクチャイエフ(Alexander Samokutyayev)宇宙飛行士を運び出し、カプセルの外で椅子に座らせた。サマクチャイエフ飛行士は、疲れた様子ながら笑顔をみせていた。続いて米国のロナルド・ギャレン(Ronald Garan)飛行士、ロシアのアンドレイ・ボリシェンコ(Andrey Borisenko)飛行士の2人もカプセルから運び出され、ロシアと米航空宇宙局(NASA)の医療スタッフが3人の体温と心拍数を計測した。

 3人はソビエト時代に設計されたソユーズでISSを離れるにあたり、ISSに残る米国人のマイケル・フォッサム(Michael Fossum)飛行士、ロシア人のセルゲイ・ボルコフ(Sergei Volkov)飛行士、古川聡(Satoshi Furukawa)飛行士の3人と、心をこめて別れのあいさつを交わしてきたという。

■打ち上げ失敗の原因は未解明、次の有人打ち上げを2日延期

 ロシアは8月24日に起きた補給ロケットの打ち上げ失敗を受け、緊急点検が終了するまで、ロケットの打ち上げ延期を決めていた。

 ロシア宇宙庁「ロスコスモス」(Roskosmos)のウラジーミル・ポポフキン(Vladimir Popovkin)長官は、エンジンの燃料圧力が急激に降下したことが打ち上げ失敗につながったと話す一方、正確な事故原因は不明なままだと強調した。

 NASAは、ロシア宇宙庁が11月中旬までに事故原因となった問題を解決できない場合には10年来で初めてISSを無人にすることも検討していた。

 ロシア宇宙庁は、ISSに向かう有人宇宙船の次の打ち上げをNASAが示した最終期限の数日前である11月12日に予定していたが、ポポフキン長官は16日、詳しい事情には触れずに、打ち上げは2日延期して11月14日に延期されたとのみ語った。また、古川飛行士らは11月22日に帰還することになった。(c)AFP/Dmitry Zaks