【9月17日 AFP】ネアンデルタール人は15万年前、現在のスペイン南部のリゾート地、コスタ・デル・ソル(Costa del Sol)で貝を食べていたとする研究結果が14日、米科学誌プロスワン(Public Library of SciencePLoS ONE)の電子版に発表された。大昔、脳の働きを活発にしてくれるシーフードを食べていたのは現生人類だけだったとする説に風穴を開けたことになる。

 スペイン・セビリア大(University of Seville)などの研究チームは、トレモリノス(Torremolinos)近郊のバホンディージョ洞窟(Bajondillo Cave)で、石器のほか、炭化した貝殻を多数発見した。貝殻の大半はイガイのもので、放射性炭素分析で約15万年前のものと判明。ネアンデルタール人が残したものと断定した。

 ネアンデルタール人がシーフードを食べていたことを示す証拠は、これまでに見つかった最古の証拠の年代を約10万年もさかのぼり、南アフリカ・ピナクルポイント(Pinnacle Point)で発見された、16万4000年前の現生人類最古の「貝食」の痕跡と「ほぼ同時代」であることになる。

 研究に参加したスペイン科学研究高等会議(CSIC)のフランシスコ・ヒメネス・エスペホ(Francisco Jimenez Espejo)氏は、次のように述べた。

「多くの科学者が、貝食は現生人類を特徴づける振る舞いの1つであり、ホモサピエンスが生息域を広げる上である程度は適応上の利点があったと考えている。だが今回の結果は、アフリカ南部のホモサピエンスとイベリア半島南部のネアンデルタール人は同じ時期に、同じ食資源を活用していたことを示している」(c)AFP