【9月2日 AFP】ロシア宇宙庁(Roskosmos、ロスコスモス)は8月31日、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運搬する無人宇宙貨物船が前週、墜落したことをうけ、宇宙飛行士のISS常駐中止を検討していると発表した。

 ロスコスモスのビタリー・ダビドフ(Vitaly Davydov)副長官は記者会見で、将来的には宇宙飛行士の継続的な宇宙滞在は必要なくなるだろうと語った。その一方で、かつてのような宇宙ステーション構想への復帰は排除しないとも述べた。

 ソ連時代の宇宙ステーションは、宇宙飛行士が常時、滞在するものではなく、ミッションの拠点としての役割を担うものだった。

 前月24日、ロシアはISSに食料や水、燃料など2.9トンを運搬する無人宇宙貨物船の打ち上げに失敗。同29日にはISSへの次期有人飛行を1か月以上延期すると発表した。

 また、初めて、ISS滞在中の宇宙飛行士が避難する可能性を示唆した。ISSが無人になることによる損失額は、1000億ドル(約7兆7000億円)に上るとみられる。

 一方、米航空宇宙局(NASA)のISS担当者は、「ISSの無人化はISSを失う一大危機となる」との危惧を示した。(c)AFP

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