【8月18日 AFP】日本の研究チームが発見した、約2億年前のウナギによく似た「生きた化石」に関する報告が、17日の学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」に発表された。

 この小型で茶色の新種ウナギは2010年3月、千葉県立中央博物館の宮正樹(Masaki Miya)上席研究員率いるチームが、西太平洋の島国パラオ共和国にある裾礁(きょしょう)というタイプのサンゴ礁の水深約35メートルにあった洞窟で発見した。

 チームはランプを使いながら、手持ちの網で体長6~9センチの8個体を採集し、持ち帰ってそのDNAを調べた。解剖学的にみてこの新種には、現在19科819種が分類されているウナギ目の魚に似ているところはあまりなかった一方で、恐竜が栄えていた中生代初期に生息していた古代のウナギと似た特徴があった。

 例えば、体の大きさのわりに頭部が大きいこと、胴体が寸詰まりになっていること、えらの上に襟のように開いた部分があること、尾びれに鰭条(きじょう)と呼ばれるすじがあること、前上顎骨と呼ばれるあご骨の特徴などだ。

 こうした珍しい特徴から、新種として「Protoanguilla palau」と分類された上に、このウナギのために新しい科「Protoanguillidae」も設けられた。ギリシャ語で「最初の」という意味の「protos」と、ラテン語で「ウナギ」という意味の「anguilla」を合わせたものだ。

 これまでにこのウナギが見つかっているのは、チームが発見した1か所だけだが、さらに広い範囲に分布している可能性もあるという。(c)AFP