【8月18日 AFP】月は、これまでの想定より最大2億年遅い43億6000万年前に誕生したとする論文が、18日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 この年代は、月から採取されたマグマ由来の鉄に富む斜長岩のサンプルを分析し、中に含まれていた鉛とネオジムの同位体の年代測定を行って推定されたもの。

 月の誕生については、大型惑星サイズの天体と初期の地球が衝突し、衝撃により噴出した溶融物質(マグマ)が徐々に冷えて固まり、大気のない岩だらけの衛星となったというのが定説になっている。

 今回の推定が正しければ、月と地球の最古の地殻は衝突後、ほぼ同じ時期に形成されたことになる。オーストラリア西部で発見された地球最古の鉱物、ジルコンの推定形成年代も、この年代とほぼ一致している。

 米カーネギー研究所(Carnegie Institution for Science)のリチャード・カールソン(Richard Carlson)氏は、「月で採取されたこのサンプルが極めて若かったことは、月の固化が従来の推定よりはるかに遅かったか、月の地球化学的な歴史について我々の理解を根底から変える必要があるか、そのどちらかを意味している」と話した。(c)AFP