【8月13日 AFP】ロシア宇宙庁「ロスコスモス」(Roskosmos)のウラジーミル・ポポフキン(Vladimir Popovkin)長官は11日、露紙コメルサント(Kommersant)のインタビューで、これまでのロシアの宇宙計画は有人飛行に重点を置きすぎていたと指摘し、今後は実利が見込めるプロジェクトへの投資を増やす必要があると述べた。

 ポポフキン長官は、露宇宙庁の予算のほぼ半分が有人飛行に割かれてきたと述べ、「有人宇宙飛行が何らかの結果を出せれば有益だとは思うが、ただ軌道上に飛行士を送り込むだけではもはや有益とは言えない。有益な成果を上げる必要がある」と述べた。

 旧ソ連の宇宙飛行士、ユーリ・ガガーリン(Yuri Gagarin)が1961年に人類初の宇宙飛行に成功してからちょうど50年目の今年、米国のスペースシャトル計画が幕を閉じた。ロシアは今、国際宇宙ステーション(ISS)に要員を送り込むことのできる唯一の国だ。

 ポポフキン長官は、ガガーリン以降、旧ソ連とロシアの科学者たちは上空300~350キロの軌道の有人飛行に関する問題はほとんど全て解決し、地球から近い宇宙空間の有人飛行で大きな問題はなくなったと語った上で、「もちろんロシアはISSへ飛行士たちを送るという使命は果たさなければならない。しかし、ロスコスモスは今後、通信やナビゲーション、気象観測などのシステムを構築するプロジェクトへの投資を増やすつもりだ」と抱負を述べた。

 ロシア宇宙軍司令官と国防次官を歴任したポポフキン氏は、相次いだ打ち上げ失敗の責任を取る形で辞任した前任者のアナトーリ・ペルミノフ(Anatoly Perminov)氏に代わり今年4月、宇宙庁長官に指命された。(c)AFP