【8月4日 AFP】宇宙空間に酸素分子が存在する証拠を初めて、欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)のハーシェル(Herschel)宇宙望遠鏡が、オリオン座(Orion)星雲の星形成領域の中に確認した。今週発行の米天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル(Astrophysical Journal)」に報告が掲載されている。

 米カリフォルニア(California)州にある米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)で、ESAのハーシェル・プロジェクトに関わる科学者ポール・ゴールドスミス(Paul Goldsmith)氏は「酸素という気体が発見されたのが1770年代。しかし、(この原子が2個つながった)シンプルな分子が宇宙空間に存在していると確信を持って言うことができるまでに、それから230年以上かかった」と感慨深げに述べた。

 科学者らによると、宇宙に存在する酸素分子は、微小の塵の粒の表面を覆う氷の中に封じ込められており、温度が上がると氷から水と酸素が放出される。ゴールドスミス氏は「(酸素分子が)存在しそうな場所を推測はできたが、大量に確認した訳ではない。今回われわれが発見した場所がどう特殊なのかもまだ分からない。宇宙にはまだ多くの秘密がある」と述べている。(c)AFP