【7月7日 AFP】スペースシャトル「アトランティス(Atlantis)」の最後の打ち上げを8日に控え、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は6日、米航空宇宙局(NASA)が宇宙探査を再活性化させるためには新たな技術的躍進が必要だと述べた。

 ツイッター(Twitter)を介した対話集会「ツイッター・タウンホール(Twitter Town Hall)」で、30年間に及んだスペースシャトル計画が終わりを迎えようとする今、宇宙探査における米国の立ち位置について質問を受けたオバマ大統領は、「わが国は依然、宇宙探査をリードしているが、率直に言って、NASAにはそのビジョンを見直して欲しいと思っている」と答えた。

「スペースシャトルは、低軌道実験や国際宇宙ステーション(International Space StationISS)で大きな功績を残した。このことは非常に誇りに思う。しかし、我々には今、新たな技術的躍進が必要だ」

 月への再度の有人飛行を目指していた「コンステレーション(Constellation)計画」を中止したオバマ大統領は、米国は1960年代のアポロ計画を超える必要があると力説。民間企業が次世代宇宙船の開発を急ぎ、民間人にも宇宙旅行の門戸を開こうとしている中、NASAがやるべきことは火星や小惑星の探査や、長期間の有人飛行といった難易度が高く資金もかかる挑戦だという見解を示した。

「同じことを何度も続けるよりも、もっと遠くへ、もっと長く人間を送ることができるための新技術に関する基礎研究に投資しよう。そのためには、まだ我々が手にしていない技術的進歩が必要だ」

 スペースシャトル計画が終了した後、次世代宇宙船が実用化されるまで、ISSと地球の間を往復する各国の宇宙飛行士はしばらくロシアのソユーズ(Soyuz)宇宙船に頼ることになる。(c)AFP