【6月23日 AFP】米カリフォルニア(California)州の新興企業Lytroは22日、シャッターを切った後にピントを合わせ直すことができる画期的なカメラを開発しており、年内に発売する予定だと自社ブログで発表した。

 新しいカメラは、同社創業者のレン・ン(Ren Ng)CEOが、スタンフォード大学(Stanford University)博士課程在学中の約8年前に取り組んでいた研究が基になっている。撮影場面の光線の情報を全てデジタル画像データに取り込み、撮影後にソフトウェアでピントを合わせる被写体を自由に変えられるという。

「すぐ撮影して、ピントは後で合わせればいい」と、同社は新技術を紹介。ンCEOも「写真における革命」と記した。

 この技術で撮影した写真は、たとえばフェイスブック(Facebook)に投稿された後でも、写真を見る人がピントを合わせる被写体を変えることができるという。同社はこれを「生きた写真」と呼び、「先週末のパーティーで何が起きたかもはっきりと思い出せますよ」と冗談交じりに説明している。

 既に試作版のカメラを複数の写真家に試用してもらっているほか、一般消費者の意見も聞きたいとして、興味がある人に同社ウェブサイトへの登録を呼び掛けている。

 カメラは自社生産する方針だが、販売予定価格は明らかにしていない。同社は資本金5000万ドル(約40億円)で、大半をベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)が出資しているとされる。(c)AFP

【参考】Lytroのピクチャーギャラリー(英語、クリックでピントを合わせ直せる写真があります)