【6月2日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は5月末、日本の小惑星探査機「はやぶさ」(Hayabusa)に続き、小惑星物質の試料採集を目的とする無人探査機を2016年に打ち上げる計画を発表した。

「はやぶさ」は7年をかけて、太陽までの倍の距離にあたる3億キロメートルの彼方にある小惑星「イトカワ」との間を往復し、2010年に「イトカワ」の微粒子を地球へ持ち帰り、日本は同種のミッションを世界で初めて成功させた国となった。

 米国が目指しているのは「イトカワ」よりも地球に近い小惑星「1999 RQ36」。昨年、1000分の1の確率で2182年に地球に衝突する可能性があると科学者らが予測し、メディアをにぎわせた小惑星で、地球の軌道から約45万キロメートルの距離を通過している。

 NASAが2016年に打ち上げると発表した小惑星探査機「OSIRIS-REx」は、4年をかけてこの「1999 RQ36」に接近し、2023年に帰還する計画。

 近接したところで上空5キロの地点から6か月をかけて地形を調査し、NASAのチームが選択した地点に着陸、搭載しているロボットアームを稼働させる。「はやぶさ」よりも大きな試料を目標としており、土壌の密度によって少なくとも60グラム大の塊か2キロ程度の砂を持ち帰り、深宇宙の物質構成の研究に役立てたいとしている。

■「生命の構成要素」の採取に期待

 調査プロジェクトを指揮するアリゾナ大学(University of Arizona)月惑星研究所(Lunar and Planetary Laboratory)のマイケル・ドレイク(Michael Drake)所長は、2023年の帰還時にもたらされるものはすべて「生命の構成要素を含むタイプカプセルになるだろう」と期待を膨らませている。

 現在のところ打ち上げに使われるロケットが決定していないため、ミッションの総コストは不明だが、10億ドル(約810億円)は超えるだろうとNASAでは見ている。打ち上げロケットの製作の中心は米航空宇宙大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)が担う見込みだ。(c)AFP/Kerry Sheridan

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