【5月27日 AFP】コインからげんこつ程度の大きさまで、さまざまな大きさの氷の塊が降るひょうの発生は、植物性の細菌が原因であると、米国の科学者チームが24日に開かれた米国微生物学会(American Society for Microbiology)で発表した。

 試料として使われたのは、米モンタナ(Montana)州で2010年6月にひょうが降った際に採取された直径5センチ以上の大きなひょう。一度凍らせた後に、1層ごとに溶ける水を分析したところ、「ひょうに発達する前の核の部分にバクテリアが発見された」と論文の主著者、モンタナ州立大学(Montana State University)のアレクサンダー・ミショー(Alexander Michaud)氏が発表した。同氏は、生物に起因する雨や雪、ひょうなどの専門家。

 ひょうとなる氷は雲の中で、最初に「氷核」と呼ばれる核の部分ができ、その周囲に水の分子が付着して凍り、大きくなる。今回の観察によって、バクテリアや微生物がそうした核となっていることを示す証拠が増えたという。

 チームの1人、ルイジアナ州立大学(Louisiana State University)のブレント・クリストナー(Brent Christner)氏は、斑点細菌病菌と呼ばれる植物性の菌が核となっていることが多いと報告した。この菌の表面は水の分子を効率的に集めることができるという。(c)AFP