【5月20日 AFP】これまでに知られている中で最古のほ乳類2種の頭骨をCTスキャンしてみたところ、脳は大きく、嗅覚(きゅうかく)をつかさどる部位がよく発達していたとする研究成果が、19日の米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

 米テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)などの研究チームは、中国のジュラ紀の化石層で発掘されたトガリネズミに似た2種に着目した。約1億9000万年前に生息していた「モルガヌコドン(Morganuocodon)」と「ハドロコディウム(Hadrocodium)」だ。

 CTスキャンを使って頭骨の内部を再現してみると、鼻腔とこれに関連する部位、においを分析する脳の部位がいずれも大きいことが分かった。鋭い嗅覚を持っていたことを示している。

 また、2種とも、道を探したり敵を避ける時に毛皮をセンサー代わりに使っていたとみられる。

 以上のことから、研究チームは、ほ乳類の脳は3段階で進化したと考えている。まず嗅覚が発達し、次に体毛の触覚が発達し、最後に「筋肉を上手に動かすための」脳の協調が発達したというのだ。 

 化石をCTスキャンで分析するこのプロジェクトは、過去10年間で初期のほ乳類化石十数種と現生種200種以上を対象にした。画像は以下のサイトで見ることができる。(c)AFP 

【参考】プロジェクトのサイト(英語)