【3月29日 AFP】英王立協会(Royal Society)は28日、国際科学雑誌に掲載される中国の科学論文数の数が急増して米国に次いで世界2位になったと発表した。

 世界のトップ10には依然として欧米主要国が多いものの、中国やブラジル、インドなどの論文数が増加している。

 1999~2003年では中国の科学論文掲載数は全論文数の4.4%を占め世界6位だったが、2004~08年には全論文数の10.2%まで急増し、日本を抜いて米国に次ぐ第2位となった。

 トップは米国が依然維持しているものの、全論文数に占める割合は26.4%から21.2%に減少した。また、3位の英国は7.1%から6.5%に減少。日本も7.8%から6.1%に減少し、2位から4位に転落した。

 5位はドイツで、同7%から6%に減少。6位のフランスも5%から4.4%に減少した。7位がカナダ、8位がイタリア、9位がスペインで、10位には13位からランクを上げたインドが入り、前回10位だったロシアはトップ10から脱落した。

■「衝撃的」な中国の急上昇、トルコ、イランも躍進

 報告書は「中国の急上昇が特に衝撃的だった」と指摘。「中国は研究開発への投資を大幅に拡大しており、1999年から毎年20%増え続けて現在では年間1000億ドル(約8兆1700億円)を超えている」と述べた。

 また、この報告書によると中国では科学・工学系の学位を持つ人が大幅に増えており、2006年には150万人が大学を卒業した。

 中国以外では、1990年代に研究部門を重視する方針を発表したトルコの科学論文数も増加した。トルコの研究開発費は1995年から2007年の間に6倍近く増加し、研究者数も43%増えた。

 科学論文の出版数で最も増えたのはイランで、1996年には736点だった論文数が、2008年には1万3238点になった。(c)AFP