【3月21日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は17日、水星探査機メッセンジャー(MESSENGERMErcury Surface, Space ENvironment, GEochemistry and Ranging)が水星の周回軌道に入ったと発表した。探査機が水星周回軌道に入ったのは世界でも初めて。

 NASAによると、メッセンジャーは米東部標準時17日午後9時(日本時間18日午前11時)ごろ、太陽から4600万キロ、地球から1億5500万キロの地点で軌道投入に成功した。23日に観測機器の電源を入れて点検を始め、4月4日から観測を開始、1年間にわたって水星の探査を行う。

 2004年8月に打ち上げられたメッセンジャーは、地球・金星・水星で数回のフライバイを行い、過酷な宇宙空間を79億キロも旅して水星に接近した。水星デュアル撮像システム(Mercury Dual Imaging SystemMDIS)、水星大気・表面組成スペクトロメーター(Mercury Atmospheric and Surface Composition SpectrometerMASCS)、エネルギー粒子・プラズマスペクトロメーター(Energetic Particle and Plasma SpectrometerEPPS)など、7つの観測機器を搭載する。

 NASAの水星探査機としては30年以上前のマリナー(Mariner)以来となるメッセンジャーは、すでに多くのクレーターがある水星表面の一部の地図を地球に送ることができるだけのデータをフライバイの際に集めている。(c)AFP

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