【3月4日 AFP】中国・北京(Beijing)でこのほど、携帯電話利用者の位置追跡システムの導入実験が行われることになったと、国営英字紙・環球時報(Global Times)が3日、北京市科学技術委員会(Beijing Municipal Science and Technology Commission)筋の情報として伝えた。人口密度が高い市北部の2か所で6月末まで実施されるという。

 このシステムが導入されれば、世界最大の利用者数を誇る携帯電話会社・中国移動通信(China Mobile)の北京市内の利用者1700万人以上の位置情報を、当局がチェックできるようになるという。

 同紙によると、科学技術委員会の通達は2月28日にウェブサイト上に掲載されたが、その後、削除されたという。AFPの取材に対し中国移動通信は、すぐに回答はできないと返答。科学技術委員会も取材に応じなかった。

 北京市の共産党委員会機関誌、北京日報(Beijing Daily)は2日、システム実験について、出発時間、目的地、移動手段などといった市内の携帯電話利用者の全体的な動きを集めることになるだろうと伝えていた。

 環球時報は、収集したデータは交通状況の管理や人口の把握の改善に使うという北京市科学技術委員会メンバーの話や、個人データは流出させないとする当局者の談話を伝えたが、携帯電話利用者のプライバシー侵害が懸念されている。(c)AFP