【1月24日 AFP】米国などで問題になっているトコジラミ(ナンキンムシ)の遺伝子を解析すれば、有効な駆除の方法が見つかるかも知れない―。米科学誌プロスワン(Public Library of SciencePLoS ONE)に19日、米研究者らによるこのような論文が掲載された。

 米オハイオ州立大(Ohio State University)の昆虫学者らは、トコジラミが持っている殺虫剤耐性を持つとみられる遺伝子を発見した。

 研究チームのオムプラカシュ・ミタパリ(Omprakash Mittapalli)氏(昆虫学)は、「防御メカニズムと、それに伴う遺伝子を特定できれば大量発生を制御できる新たな方法が見つかるだろう。トコジラミは今後数年で米国の主な家庭害虫になる可能性が高いにも関わらず、わたしたちはこの虫の遺伝子構造や殺虫剤耐性についてほとんど知らない」と語る。トコジラミの殺虫剤耐性に遺伝子が関わっているかどうかを判別するには、さらなる研究が必要だという。
 
 トコジラミは米国では第2時世界大戦後にほぼ根絶されたが、絶大な駆除効果がある殺虫剤のDDTが人体に有害だとして禁止されたうえ、海外旅行が普及したことなどで90年代以降すっかり復活を遂げた。いまやトコジラミは各国に拡大。ニューヨーク(New York)やパリ(Paris)の高級ホテルでは、トコジラミ駆除に相当な費用をかけている。(c)AFP

【関連記事】米NYで大発生のナンキンムシ、ついに国連本部も襲撃