【1月20日 AFP】バレンタインデーの来月14日、見知らぬ男女が恋に落ちるかのように、夜空で宇宙探査機と彗星(すいせい)が最接近する。

 この探査機は米航空宇宙局(NASA)の彗星探査機スターダスト・ネクスト(Stardust-NExT)だ。NASAが19日に発表したところによると、スターダスト・ネクストは来月14日、地球から3億3600万キロの地点を通過するテンペル第1彗星(Tempel 1)に、わずか200キロの距離まで接近。彗星表面を撮影する予定だ。

 テンペル第1彗星については、2005年にもNASAの探査機ディープ・インパクト(Deep Impact)による調査が行われている。ディープ・インパクトから切り離されたインパクターが彗星に衝突し、舞い上がった物質を分析した結果、この細かい粉末の成分は予想していた水や氷、ちりではないことが分かった。このほかにも、テンペル第1彗星の核部分だけでなく、表面にも氷が存在することを示す証拠が得られた。

 その後、テンペル第1彗星は太陽に接近していることから、天文学や宇宙専門家らは、超高温で燃える太陽に近づいたことで、彗星の表面などにどのような変化が表れているかに関心を抱いている。

 スターダスト・ネクストの研究プロジェクトに参加している米コーネル大(Cornell University)の研究者は、「この彗星を再び調査することで、約45億年前に彗星が誕生した時の成り立ちなど、新たな手掛かりも得られる」と期待を示した。

 再接近したテンペル第1彗星の画像は、早ければ、再接近の翌日の2月15日にもスターダスト・ネクストから送信される予定だ。(c)AFP