【12月19日 AFP】ロシアが5日に打ち上げた測位用の人工衛星グロナスM(Glonass-M)3基が米ハワイ(Hawakii)沖の海上に落下したのは、ロケットの燃料の量が間違っていたのが主な原因だったと、調査委員会が17日に発表した。

 これによると打ち上げに使われたプロトンM(Proton M)ロケットを設計したS.P.コロレフ・ロケット・アンド・スペース・コーポレーション・エネルギア(S.P. Korolev Rocket and Space Corporation Energia)が今回使われた型のロケットは従来型より燃料タンクが大きいことを十分に説明しなかったため、従来型と同様の計算で燃料の量を決めたところ必要以上の燃料が搭載され、重量が増えすぎて衛星を軌道に投入するだけのエネルギーが得られなかったという。17日の時点でエネルギア側のコメントは取れなかった。

 インタファクス(Interfax)通信は、計算間違いを正すのは容易で、ロケットそのものに問題がなかったことが分かり安堵しているという複数の関係者の話を伝えた。調査委員会のゲンナジー・ライクノフ(Gennady Raikunov)氏は打ち上げは再開できるだろうとの見通しを示した。

 ロシアの衛星利用測位システム「グロナス(Global Navigation Satellite SystemGLONASS)」は旧ソ連時代の1976年に開発が始まり、今回の3基で打ち上げが完了する予定だった。ロシア政府は米国のGPSのライバルとして大々的に宣伝しており、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は、2012年からロシア国内で販売されるすべての新車にグロナスの受信機を搭載させる方針を掲げている。(c)AFP

【関連記事】ロシアの測位システム用人工衛星、打ち上げに失敗