【12月19日 AFP】パーティー・シーズンならではの欧州の「都市伝説」に科学者たちがメスを入れた。15日、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」に掲載された。

■「美容には睡眠」は本当

 パーティーで自分をはつらつと魅力的に見せたかったら、メークも化粧液も若返り術も要らない。最も効果があると科学者たちが太鼓判を押すのは、誰もが知っている普通の方法、睡眠を十分にとることだ。

 スウェーデンの科学者チームは18~31歳の男女ボランティア23人を対象に、8時間睡眠後と、連続31時間、睡眠せずにいた後の写真を撮影した。どちらの場合も全員メークはなし、髪の毛は下ろして、顔を洗って男性はひげをそった後、「普通の表情で」という指示を受けて撮影に臨んだ。

 こうして撮影された計46枚の写真を、何の指示も受けていない別の65人のボランティアにランダムに見せた。こうして、同一人物の写真で不健康そうなほう、魅力的でないほう、疲れて見えるほうを選んでもらった結果、それぞれ6%、4%、19%の割合で、睡眠不足の写真のほうが「不評」だった。

■「こってりメニュー+お酒=消化不良」は誤解

「こってりメニューを食べながらアルコールを飲むと消化不良を起こす」という説は誤解なようだ。スイス・チューリヒ大学病院のチームは20人のボランティアを2つに分け、ワインあるいは紅茶と一緒にチーズフォンデュを食べてもらった。さらに1時間半後、それぞれのグループにチェリー・リキュールあるいは水を飲んでもらった。

 その結果を比較したところ、アルコールを飲んだグループのほうが消化の速度はずっと遅くなり、アルコールを飲むほど食欲は減退していったが、かといってアルコールを飲まなかったグループよりも胸焼け、げっぷ、腹部膨満感を示したというような違いは見られなかった。

■ティーン・スピリット伝説

 デンマークの若者たちがよく言う「アルコールに足を漬ければ酔える」という変わったパーティー伝説を、同国の医師3人が、実際に自分たちの足を漬けて検証した。

 ピーター・クリステンセン医師(Peter Lommer Kristensen)ら同僚3人は、安物のスロバキア産ウオッカ3本分を満たした洗いおけに自分たちの足を3時間、浸しながら30分おきに血中アルコール濃度を測った。

 クリステンセン医師によると「最初はちょっと陽気になった気分がして、笑いがこみあげ、言い伝えは本当なのかと思った」が、それはおかしな実験をしているというシチュエーションのせいだけだったようだ。実験の結果、切り傷や擦り傷、足に病気がある場合は多少しみるかもしれないが、「皮膚はアルコールに対するバリアが大変強力」であることが証明された。(c)AFP