【11月19日 AFP】天の川の端に初の「他の銀河由来の太陽系外惑星」が見つかったと、独マックス・プランク天文学研究所(Max Planck Institute for Astronomy)のJohny Setiawan氏らのチームが18日、発表した。

 米科学誌サイエンス(Science)電子版に掲載された論文によると、この星は高温のガス状惑星で、木星よりやや大きい。地球から2000光年離れた寿命末期の恒星を、16日程度の短周期で公転している。「HIP 13044 b」と名付けられた。

 この2つの星は、超小型銀河が約60億~90億年前に天の川銀河に飲み込まれた後に残ったものと考えられるという。

■きわどく生き残った惑星、余命わずかか

 チリのラ・シヤ天文台(La Silla Observatory)の巨大望遠鏡で確認された「HIP 13044 b」は、恒星のすぐ近くを公転しているため極めて高温とみられる。恒星は、中心部の水素を使い果たして膨張する「赤色巨星」になりつつあるが、「HIP 13044 b」は膨張に飲み込まれずに生き残ってきたと考えられる。

 だが、恒星は既に幾つかの惑星を飲み込んで膨張速度を速度を速めている可能性があり、「HIP 13044 b」も近く「最期」を迎えるだろうという。つまり、この惑星に残された時間はあとわずかなのだ。

■定説で説明できない惑星誕生の謎

「HIP 13044 b」の生成過程には、研究チームも首をかしげる。現行の惑星生成モデルでは、重元素をほとんど含まない恒星は惑星を持てないが、この恒星には水素とヘリウムより重い元素がほとんど含まれていないため、定説とは異なる方法で形成されたと考えられるという。(c)AFP/Jean-Louis Santini