ネコが水飲む上品なしぐさ、慣性と重力を利用 高速度カメラで解明
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【11月12日 AFP】ネコは人間のように口をすぼめて水気を吸い込むことができないのに、あごを濡らすことなくエレガントにミルクを飲む。その秘密を、米マサチューセッツ工科大(Massachusetts Institute of Technology、MIT)とプリンストン大(Princeton University)の研究チームが高速度カメラで解明した。12日の米科学誌サイエンス(Science)に発表する。
これまでネコの水の飲み方は、イヌ同様に舌先を丸めてすくい上げて口に運んでいると考えられてきた。だが、高速度カメラで撮影して分析したところ、すくい上げるのではなく、重力と慣性という2つの力のバランスを巧みに利用して液体を飲んでいることがわかった。
ネコは、イヌのように舌を水の中には入れず、水面に舌先が触れた瞬間にすばやく引き戻す。一連の動作が極めて速いため、慣性によって舌先と水面の間に水柱が立つ。この水柱が重力の影響で崩れる前に、ネコはあごを閉じて水を口の中に入れる。このとき、水柱は慣性と重力の絶妙なバランスによって成り立っているが、ネコはどの速さで舌を出し入れし、いつ口を閉じれば水が飲めるかを、本能的に知っているという。
今回の分析ではまた、ネコが平均で1秒に4回舌を出し入れし、1回あたり0.1ミリリットルの水を口に入れていることも分かった。大型のネコ科動物ほど、舌を動かすスピードは遅くなるという。(c)AFP