【10月25日 AFP】日本の研究チームが初めて日本人の全遺伝情報(ゲノム)の高精度な解読に成功し、米科学誌「ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)」の電子版で24日、発表した。

 日本人ゲノムを解読したのは独立行政法人理化学研究所・横浜研究所(Riken Yokohama Institute)ゲノム医科学研究センターの角田達彦(Tatsuhiko Tsunoda)チームリーダーが主導する研究チーム。ある日本人男性の約30億対のDNA塩基配列の解読に成功した。

 2001年以降、これまでに高精度のゲノム解読に成功しているのは、DNAの二重らせん構造を発見した米科学者ジェームズ・ワトソン(James Watson)氏を含む米国人2人、アフリカ人1人、韓国人2人、中国人1人の計6人のゲノム。

 AFPの取材に対し、角田氏は、今回、解読された日本人ゲノムとすでに解読されている6人のゲノムを比較し、差異の有無などを慎重に見極めたいと電子メールで回答した。

 今回の研究は、世界各地の個人1000人分のゲノム解読を目指す国際プロジェクト「1000ゲノムプロジェクト(1000 Genomes Project)」の一環として実施された。遺伝的多様性に着目することで疾患に対する遺伝的脆弱性を解明し、個人個人に応じた治療薬を開発することや、人類進化の謎の解明を目的としている。(c)AFP