【10月8日 AFP】太陽活動の衰退期は、予想されてきたほど地球の冷却化に貢献していないとする研究結果が7日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 太陽活動は11年周期で活発期と衰退期を繰り返すことが知られている。理論的には、衰退期に、地球に到達する放射線量は減少する。
 
 ところが、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)のジョアナ・ヘーグ(Joanna Haigh)教授主導の研究チームが2004~07年の衰退期に衛星データなどを分析したところ、紫外線放射は減少していたものの、可視光放射は予想に反して増加していた。

 このことは、地球温暖化が人為的なものなのかをめぐる議論においては極めて重要だ。温暖化懐疑派は、地球は太陽活動の影響で冷却化と温暖化を周期的に繰り返していると指摘してきたが、衰退期に温暖化効果を持つ可視光放射が増えるということは、太陽が気候に与える影響について認識を改める必要があることを意味する。

 ただしヘーグ教授は、衰退期に温暖化効果が現れるのであれば、活発期には冷却効果が現れているかもしれないと指摘する。

 その場合、過去100年間の平均気温の上昇は、これまで考えられてきた以上に温室効果ガスに起因していると言うことができる。

 同教授は、対象期間が3年間と比較的短かったために結論を出すのは時期尚早だとして、長期にわたる詳細な研究が必要だと強調している。(c)AFP