【9月9日 AFP】スペイン中部クエンカ(Cuenca)州の白亜紀前期(1億2000万~1億5000万年前)の地層から、背中にこぶのある新種の肉食恐竜の化石を発掘したとの論文を、マドリード自治大学(Autonomous University of Madrid)などの古生物学研究チームが9日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した。

 化石は全長6メートルで、保存状態は極めて良い。二足歩行する肉食恐竜「獣脚竜」の新種に分類され、「Concavenator corcovatus(クエンカのせむしのハンター)」と名付けられた。これまでに発見された獣脚亜目の化石の中では最も初期のものだ。獣脚亜目は南半球に分布していたと考えられる史上最大の肉食恐竜で、ギガノトサウルス(全長約14.5メートル)やカルカロドントサウルス(全長約13メートル)などもこの仲間だ。

 化石には、あごと、別の種類に属するティラノサウルス・レックス(T・レックス)のような爪のある小さな前脚があった。しかし背骨が大きく湾曲してこぶを形成している点は、ほかの恐竜には見られない特徴だった。

 研究者は、この恐竜には病気の痕跡はないと指摘した上で、こぶは脂肪を蓄積するためのものだった可能性があるとしている。(c)AFP