【9月6日 AFP】デンマークで5日、民間団体による有人宇宙飛行ロケット試作機の発射実験が行われたが、技術面での不具合で失敗に終わった。

 バルト海(Baltic Sea)のボーンホルム(Bornholm)島での打ち上げはテレビ中継されていたが、テレビ画面にはカウントダウンの後、茶色の煙が噴出す様子が映し出された。民放テレビTV2によると、専門家らは点火装置に問題があるとみている。

 デンマーク人天文学者にちなんで「ティコ・ブラーエ(Tycho Brahe)」と名づけられた試作機ロケットは、Peter MadsenさんとKristian von Bengtssonさんが2年以上を費やして開発・製造したもの。全長9メートル、重量は1600キロ。5日の打ち上げでは、人間の代わりに人形を乗せ、高度10~30キロを飛行することになっていた。

 Madsenさんは、宇宙飛行ロケットの打ち上げは、大国の特権ではなく、わずかな予算で誰でも可能となることを証明したかったと語った。2人は、実際に人を乗せた有人宇宙飛行を3~4年後には実現させたいと期待している。もし、実現すれば、デンマークは有人宇宙飛行に成功した4番目の国となる。

「ティコ・ブラーエ」試作機の開発・製造費5万ユーロ(約543万円)は、2000人の個人スポンサーと企業20社が出資している。

「ティコ・ブラーエ」の打ち上げは、これまでにも何度か悪天候により延期されている。新たな、打ち上げ日程は、明らかになっていない。(c)AFP