【8月23日 AFP】米カリフォルニア(California)州南部のサンアンドレアス(San Andreas)断層で発生する大地震の頻度は定説よりも多く、「巨大地震」が間近に迫っている可能性も否定できない、とする論文が20日発表された。詳細は9月1日の米科学誌「Geology」に掲載される。

 カリフォルニア大学アーバイン校(University of California at IrvineUCI)とアリゾナ州立大(Arizona State University)の研究チームは、ロサンゼルス(Los Angeles)北西160キロの地点を走る同断層の過去700年間の地質記録を調べた。 

 その結果、マグニチュード(M)6.5~7.9の強い地震の発生頻度は、現在定説となっている250~400年に1度ではなく、45~144年に1度であることがわかった。同州南部を襲ったM7.9の巨大地震は、153年前の1857年までさかのぼることから、「次の巨大地震はいつ起きてもおかしくない」と研究チーム。

 カリフォルニア州南部はロサンゼルス、サンディエゴ(San Diego)、アナハイム(Anaheim)などの大都市を擁し、地域人口は3700万人に上る。巨大地震が発生した場合の推定死者数は2000~5万人、被害額は数十億ドルが見込まれる。また、平時でも渋滞しているハイウエーでの被害は未知数だ。

 そのため、UCIのリサ・グラント・ラドウィグ(Lisa Grant Ludwig)准教授は、個人も自治体も早急に対策を講じる必要があると指摘。災害キットの用意や建物の耐震強度の見直しなどを呼びかけている。

 一方、論文を共同執筆したアリゾナ州立大のレイモン・アロースミス(Ramon Arrowsmith)教授は、「地震の頻度は高いかもしれないが、地震の規模は(M6.5より)小さい可能性もある」とやや楽観的な見方を示している。(c)AFP

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