【8月20日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の無人月探査機「ルナー・リコネサンス・オービター(Lunar Reconnaissance OrbiterLRO)」が撮影した画像から、月がわずかながら収縮していることを示す痕跡を発見したと、米科学者チームが19日、米科学誌サイエンス(Science)に発表した。

 スミソニアン航空宇宙博物館(Smithsonian Museum's National Air and Space Museum)のトーマス・ワッターズ(Thomas Watters)氏率いる研究チームは、高解像度の画像を調べ、月面に「突状断崖」を14個発見した。突状断崖とは、月内部の溶解物質が冷却して月面が収縮し、その結果生まれた断層で、「月面のしわ」のようなものだ。

 突状断崖は1970年代、宇宙船アポロ(Apollo)15号、16号、17号に搭載されたパノラマカメラにより、赤道付近に初めて確認された。今回、突状断崖が赤道に限らず全体に拡散していることが新たにわかり、月が収縮していることを示す強力な証拠となった。

 月は約45億年前に誕生したと推定されているが、収縮は比較的最近の約10億年前に始まったと考えられるという。(c)AFP