多細胞生物、定説の15億年前にすでに出現か ガボンで新たな化石
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【7月1日 AFP】西アフリカ・ガボンの丘陵地帯で見つかった化石群から、多細胞生物の出現時期が少なくとも15億年さかのぼることが明らかになったとする論文が、1日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。
仏ポワティエ大(University of Poitiers)の研究員で論文を主筆したアブデルラザク・エル・アルバニ(Abderrazak El Albani)氏によると、新たに発見された化石の大きさは1~12センチとさまざまだが、どれも「端がギザギザで中央にこぶのような塊がある、クッキーのよう」な外見。単細胞の微生物と異なり、細胞膜で核を覆って染色体を保護する構造の多細胞性を示していた。これまでに250個以上の標本を発掘したという。
これまで、複雑な構造を持つ多細胞生物の出現時期は、生物が爆発的に多様化する「カンブリア大爆発」が始まった6億年ほど前とされ、それ以前には単細胞の微生物しか存在していなかったと考えられてきた。が、これらの化石が発見された地層から、21億年前である可能性が出てきたという。
地球化学分析で、この化石の生物は酸素をわずかに含んだ海水で暮らしていたことがわかっている。このことから研究チームは、単細胞体から多細胞体への進化には酸素が不可欠だった可能性があると見ている。
「原生代には、大気中および海水中の酸素の増加という2つの重大な出来事があった」とアルバニ氏は説明している。大気中の酸素の増加は、21億年前に化石の生物が誕生する直前に、海水中の酸素の増加は6億年前の「カンブリア大爆発」の直前に起きたと推定されるという。(c)AFP
仏ポワティエ大(University of Poitiers)の研究員で論文を主筆したアブデルラザク・エル・アルバニ(Abderrazak El Albani)氏によると、新たに発見された化石の大きさは1~12センチとさまざまだが、どれも「端がギザギザで中央にこぶのような塊がある、クッキーのよう」な外見。単細胞の微生物と異なり、細胞膜で核を覆って染色体を保護する構造の多細胞性を示していた。これまでに250個以上の標本を発掘したという。
これまで、複雑な構造を持つ多細胞生物の出現時期は、生物が爆発的に多様化する「カンブリア大爆発」が始まった6億年ほど前とされ、それ以前には単細胞の微生物しか存在していなかったと考えられてきた。が、これらの化石が発見された地層から、21億年前である可能性が出てきたという。
地球化学分析で、この化石の生物は酸素をわずかに含んだ海水で暮らしていたことがわかっている。このことから研究チームは、単細胞体から多細胞体への進化には酸素が不可欠だった可能性があると見ている。
「原生代には、大気中および海水中の酸素の増加という2つの重大な出来事があった」とアルバニ氏は説明している。大気中の酸素の増加は、21億年前に化石の生物が誕生する直前に、海水中の酸素の増加は6億年前の「カンブリア大爆発」の直前に起きたと推定されるという。(c)AFP