【6月23日 AFP】英オックスフォード大学(Oxford University)などの国際研究チームが、各国の博物館に所蔵されていた植物などを炭素年代測定法で分析することで、これまでで初めて古代エジプト王朝の正確な年代を確立した。18日の米科学誌「サイエンス(Science)」で発表された。

 オックスフォード大のクリストファー・ラムゼイ(Christopher Ramsey)教授が率いる国際チームは、米国や欧州の博物館から集めた種子やバスケット、布、植物の茎、果実などを調べた。

「放射性炭素年代測定法が精密になったことで、これまでで初めてエジプト古代王朝の歴史を非常に詳しい年代まで知ることができた。われわれ少人数のチームがわずか3年で、1世紀にわたる学問の成果を裏付けることができたと知ればエジプト学者たちも喜んでくれるだろう」

 古代エジプト王朝は、歴史文書や考古学的発見によって、古王国、中王国、新王国などに分けられている。だが、それぞれの王国は独自の暦を使ったため正確な年代の特定は難しかった。

 新たなデータによって、古王国時代で最も有名なファラオであるジェセル(Djoser)王の統治期間が、紀元前2691~2625年だったことがわかった。これは通説よりも50~100年早いという。また、新王国も通説よりやや早い紀元前1570~1544年に始まったという。

 国際チームには、オックスフォード大のほか、英クランフィールド大学(Cranfield University)、フランス国立科学研究センター(National Centre for Scientific ResearchCNRS)の専門家、またオーストリアやイスラエルの専門家も参加している。

 放射性炭素年代測定法(炭素14年代測定法)は、有機物の年代を正確に調べる方法として知られている。(c)AFP