【6月18日 AFP】サッカーの試合で「誰が最高の選手か」を客観的基準によって計測するソフトを米国の研究チームが開発し、16日のオンライン科学誌「PLoS ONE」に発表した。

 1回のサッカーの試合でゴールやアシストを決めるのはほんの一握りの選手に限られる。2点、3点となればなおさらだ。

 論文を主筆したノースウエスタン大(Northwestern University)のルイス・アマラル(Luis Amaral)教授(生物科学工学)は、「サッカーでは基準にできる大きな出来事があまり起こらない」と指摘する。「選手が何点決めるかを数えることはできるが、1試合で2点決めたら驚きだ。多くの選手が試合中のパフォーマンスを数値化されずに終わっている」
 
 この統計的ギャップを埋めるため、研究チームは2008年のサッカー欧州選手権の全試合について、すべての統計を客観的にランク付けするソフトを開発。人のつながりを分析する「ソーシャルネットワーク分析」の手法を用いてデータを解析し、選手のパフォーマンスを数値化した。

 この手法では、パスを回した選手同士はネットワークの要素としてつながれ、シュートやゴールで終われば、それらも要素として加えられる。「シュートで終わるパス回しが多いほどチームは高評価となり、シュートで終わる回数が多いほど選手は高評価となる」とアマラル教授は説明する。

 教授は「われわれの評価法が良くなければ、これほど多くの専門家から同意の言葉をもらうことはないだろう」とソフトの性能に自信をのぞかせた。(c)AFP